西洋医学と東洋医学 考え方の違い
西洋医学と東洋医学では病に対しての基本的な考え方に違いがあります。
西洋医学:投薬や手術で病気の原因や部位を特定してそれを取り除いて治す
東洋医学:自然治癒能力(治す力)を最大限に引き出すお手伝いをすることで治癒に導く
例えていうなら熱が出た時に「熱を下げるために解熱剤」を処方するのか西洋医学、「なぜ熱が出た」のかを考え「寒くて体か冷えたから」と原因を突き止め「熱が出ないようにするために、体を温める漢方薬」を処方するのが東洋医学です。
西洋医学と東洋医学 治療法の違い
西洋医学と東洋医学では「病気を治す」という目的は同じですが、そのためにどうするか?(治療法)は全く異なります。
西洋医学のお薬 | 漢方薬 | |
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成分 | 人工的に合成された化学物質 | 生薬(自然界に存在する植物や動物や鉱物などの薬効部分) |
成分数 | 単一成分 | 複数の生薬の組み合わせ |
効果 | 単一成分のためピンポイントの症状に対応 | 生薬の組み合わせにより色々な病状に対応 |
処方 | 同じ症状や同じ病名の患者には同じ薬 | それぞれの体質や体格、症状で違う漢方薬の場合もある |
即効性 | ピンポイントの症状に強い薬理作用を示すため即効性が高い | 即効性が高いものから飲み続けるものまで症状に応じる |
メリット・デメリット
西洋医学と東洋医学。どちらにもメリット・デメリットがあります。
当院の鍼治療には「椎間板ヘルニア」で歩行が困難になった犬が多く来院されるため、犬の「椎間板ヘルニア」を例とします。
■西洋医学
- メリット
グレードに応じて投薬・手術で治療するため即効性があり、結果が直ぐに出る。 - デメリット
検査・手術の際の全身麻酔や手術そのもの、手術の成果が見られない場合には術後のリハビリなど心身への負担が大きい。
費用面での負担も大きい。
■東洋医学
- メリット
「鍼治療」を中心にマッサージやレーザー治療を併用することで治癒を目指すため入院の必要もなく、心身の負担が少ない。
費用面でも手術に比べると負担はぐっと少ない。
- デメリット
即効性がないため、ある程度の通院(時間)が必要。結果がいつ出るのかも不透明。
どちらの方が治るか治らないかを言えば、どちらにも絶対はありません。