マッサージ(推拿)
当院では、マッサージ(推拿)を治療に取りいれています。
推拿とは、中国では中医師が行う手技治療法です。
鍼灸・漢方薬とともに中国伝統医学(中医学)の三大医療の一つとされており、推拿の効果は、科学的にも臨床的にも立証されています。
マッサージとは
筋肉や筋膜、靭帯などの軟部組織や神経、骨格に直接働きかけることで驚くほどの即効性を発揮する優れた整体技術です。
マッサージの効果
腱、骨、関節の機能の改善といった病気の回復以外にも、凝り固まった筋肉や腱、神経を広い範囲で全体的に緩めることで筋肉の緊張がとけ、血流やリンパ液の流れがよくなることで様々な効果が現れます。
- 腰痛や膝痛の緩和、疲労回復
溜まっていた疲労物質が流れることで腫れや痛みの軽減、疲労回復をします。 - 自律神経が整う
筋肉の緊張が解けることでリラックス神経(副交感神経)が高まり自律神経が整います。 - 運動中の怪我を防止
運動前の準備体操にストレッチやマッサージをすると筋肉や関節が温まり、体をなめらかにすることで運動中の怪我を防止します。 - 疲労防止
運動後にストレッチやマッサージをすることで、筋肉の緊張を緩和し、疲労物質を貯めにくくします。 - 筋力回復のお手伝い
弱った筋肉を刺激することで筋肉量の減少を抑え、元のように力強い筋肉へと促す手助けをします。
このような「未病(みびょう)」と言う病気でないけどつらい症状の緩和に効果があります。
鍼治療との違い
効果といった面では鍼治療とマッサージはよく似ています。「気血」の流れを整えることで治癒を目指すのも同じです。そのための方法が、鍼治療が体に直接、鍼を刺してツボを刺激するのに対し、マッサージでは体を揉む、押す、転がす、震わせる、伸ばす(引っ張る)などの手技で貯まった老廃物や痛み(滞り)を押し流し、腱、骨、関節の機能を改善します。
鍼治療かマッサージか
それぞれの治療法に向いているタイプとしては以下となります。
- 鍼治療が向いているタイプ
- 体格がガッチリしている成犬・成猫
- 神経や筋肉が傷ついて、麻痺や痛みを伴っている子
- マッサージが向いているタイプ
- 幼い子や老犬、体力が落ちている子
- 鍼治療の刺激に敏感な子
幼い子や老犬、体力が落ちている子にマッサージが向いているのは鍼治療が「傷をつけて修復する力を利用する」ので体力を使うためです。しかし、椎間板ヘルニアのように歩行困難な子には鍼治療が向いています。
では椎間板ヘルニアだけど高齢で手術が難しい場合は?となると、体力の消耗を考慮した鍼治療を行います。
当院ではその子の年齢や症状に合わせて適切な治療法をご案内しますのでご相談ください。
手当のお話
治療することを「手当てする」なんて言います。
子どもの頃、転んだりぶつけたりで痛い思いをした時、お母さんが飛んできて痛いところに温かい手を当てて擦りながら「痛いの痛いの飛んでいけ」とおまじないを掛けられましたよね。そうすると不思議と痛くなくなった経験があったと思います。それは「母親が来た」「温かい手を当てられた」ことで気分が落ち着き、安心し、自己治癒能力が高まることで痛みが消える仕組みです。
「手を当てて治す」ことから「手当て」と言うのです。